医療関係者と患者が情報を共有し、協力して治療に臨むために

Academic Detailing について

 

脳血管障害(患者向け)

HOME»  疾患別»  脳血管障害-患者向け

日本の状況

平成27年の調査では脳血管障害での死亡数は11万1973人で、その内訳は脳梗塞6万4523人、脳内出血3万2113人、くも膜下出血1万2476人、その他2861人となっています。全体の死因の8.7%を占め、日本人の死因順第4位となっています。
 
(医療費1兆7821億円)平成26年国民医療費の概況


 

脳血管障害とは

脳血管障害とは、脳の血管が障害を受けることにより生じる疾患の総称です。この脳血管障害が急速に進行したものが一般的に脳卒中と呼ばれるものです。
 
脳血管障害は以下のように分類されます。
 
〇脳出血(頭蓋内出血・クモ膜下出血)
脳の細かい血管に高血圧や加齢が原因で血液によるこぶができ、血圧の上昇などが引き金となって破裂することで起こります。
 
〇脳梗塞
脳の血管が詰まったり狭くなったりすることで脳への血流が悪くなり、脳の組織が酸素や栄養不足のために壊死してしまうこと。脳血管障害の6割が脳梗塞と言われています。
また脳梗塞の3割が寝たきりの原因になります。


 

脳血管障害の原因

脳出血の原因は主に高血圧で、クモ膜下出血には脳動静脈奇形やもやもや病などといった疾患も関連しています。
 
脳梗塞の最たる原因は動脈硬化です。動脈硬化は高血圧・脂質異常症・糖尿病をはじめとする生活習慣病や、喫煙・心臓病などにより起こりやすくなります。食生活の欧米化に伴い罹患率も上昇傾向にあります。


 

脳血管障害の前兆

脳血管障害の前兆として様々な症状が現れます。しかし症状に気付かなかったり、症状がすぐに収まるため放置してしまったりすることが多く、その後突然発作が起こってしまうケースが少なくありません。以下のような症状が現れたら専門の医療機関にかかられることを勧めます。
 
・半身が麻痺する
・片側の顔が緩む、口角が下がる。
・言葉が出なくなる、言葉が理解できなくなる
・呂律が回らない
・めまい、片目が見えない、物が二重に見える
・激しい肩こりや頭痛


 

発症時の対応

脳梗塞は発症してから4.5時間以内、8時間以内の方のみに行える治療があります。治療前には検査を受ける必要があり時間がある程度かかるので、それを考慮し発症した場合は可能なかぎり早く受診しましょう。
また脳血管障害が疑われる場合には、脳へ血液を十分に送るために横になることが原則です。患者の意識がない時には、呼吸ができ、嘔吐物が喉につまらないよう、側臥位にして救急車を呼んでください。


 

危険因子と予防法

・高血圧
高い血圧が血管に対して負担となり、血管が弱くなったり、詰まりやすくなったり、破れやすくなったりします。食事の塩分を極力少なくしてください。
・糖尿病
食生活の欧米化により患者さんが増加傾向にあります。食事のカロリーを低く抑え、食事は1日3回バランス良く食べ、間食を減らし適正体重の維持を行うことが大切です。
・脂質異常症
脂肪の摂取を抑えLDLコレステロール(悪玉)を下げましょう。油を使う料理を減らし、豆、芋、海草、キノコ、根菜などコレステロールを下げる食べ物を意識的に摂取しましょう。
・不整脈
心臓にできた血栓がはがれ、血流に乗り心臓から脳に移動することで脳の血管を詰まらせます。血液をさらさらにする薬を用いることで血栓が作られるのを抑えられるので、脳梗塞を予防できます。
・喫煙:
ニコチンが血圧の上昇や動脈硬化を促進させます。
・その他
男性、高齢者、肥満、飲酒、運動不足など
 
治療の基本は生活習慣の改善です。それでも改善が見られないときには、薬物療法を併用する必要があります。
 
一度脳血管障害を起こした人は5~10%が再発すると言われています。再発を防ぐためにも
薬の服用を続けることが大切です。
 



 

参考・関連リンク集

参考
 
平成27年(2015)人口動態統計(確定数)の概況
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei15/
第6表 性別にみた死因順位(第10位まで)別 死亡率・死亡数(人口10万人対)・構成割合
第7表 死因簡単分類別にみた性別死亡数・死亡率(人口10万人対)
 
国立循環器病研究センター
http://www.ncvc.go.jp/
 
ハリソン内科学 第4版